ふと思い立って、プチ冒険

私は鉄子ではなく、地図子です

地図子、堀川を歩く -1 水分橋から黒川料金所まで-

みなさんこんばんは、地図子です。
今回のブログから、いよいよ名古屋の水路を巡り始めたいと思います。
最初に取り上げるのは・・・堀川です!

 

京都といえば鴨川・・・のように、名古屋の水の流れと言えば??
皆さんの名古屋観光を思い出してください・・・名古屋城熱田神宮・・・
その名古屋城から熱田神宮を結ぶために造られたのが実は堀川です!
名古屋駅より西で一度は直線の水の流れを目にしたことがあるのではないでしょうか。
その堀川はどこからどこまでつながっているのか・・・プチ冒険しがいがあります。

 

加えて地図子には、水路巡りをしているときの夢が一つあります。
それは水路巡りをしながら、お城の天守閣を拝むということ!
東京には天守閣が残っていませんが、名古屋であれば実現できるかも!?
そんな夢を叶えるべく、れっつごー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堀川?黒川?取水先は矢田川庄内川

 

お城を見ながら水路巡りをしたいという理由で始まった、堀川を歩く。
名古屋初心者の地図子はまずGoogle Mapで堀川が始まりそうなところへ向かいます。
堀川の始まりは、名古屋市営地下鉄上飯田駅に近そう。
上飯田駅は二駅だけの上飯田線という路線の終点になっていて、気になっていました。
二駅だけしかない路線というのはいったい何のためにあるのでしょう・・・?

 

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上飯田駅名古屋市営地下鉄の路線図を見てみて納得です。
通常の名古屋市営地下鉄の路線図だとピンクの部分しか書かれていません。
でも上飯田駅では、その先の路線が描かれているではありませんか!
上飯田駅の先は名鉄小牧線に直通なので、地下鉄部分はこんなに短かったんですね。

 

 

 

上飯田駅の謎が解けた後は、いよいよ堀川の謎を探っていきます。
当初地図子は矢田川から堀川が分岐するB地点から歩き始めました。
しかし途中の看板を読むと、堀川は矢田川ではなく庄内川から取水しているとのこと。
Google Mapもよく見ると、庄内川矢田川の間にも堀川の文字が読み取れます。

 

「堀川 もっと知りたい堀川のこと」という冊子をもとに堀川の歴史を整理すると:

 

1610 名古屋城と熱田を結ぶ川が掘られる

1663 守山区竜泉寺下で庄内川から取水した水を、矢田川の下を暗渠でくぐらせ、名古屋城のお堀に引く御用水が開削される

1784 1767年に大雨で矢田川の堤防が切れたことをきっかけに、大幸川の流路を変えて堀川に繋ぐ工事が行われる

1876〜1877 犬山と名古屋を結ぶ舟運と農業用水の取水を目的に、大幸川の流路を付け替え、水分橋で庄内川から分岐し、矢田川の下を伏越して堀川に注ぐ黒川が造られる

 

取水は庄内川、そして堀川と並行して黒川も造られた歴史が発覚しました。
今回は黒川の開削のときに庄内川から取水したA地点から案内を開始します。
みなさんが歩くときは、ぜひ庄内川から通して歩いてみてください。

 

竜泉寺から見える庄内川の風景。



 

庄内川矢田川の間を歩く

 

そんなわけで、上飯田駅から足を伸ばして、庄内川の水分橋(A地点)まで来ました。
名鉄小牧線味鋺駅の方が近いですが、名古屋市営地下鉄から来ると追加料金が・・・
今も取水口辺りで庄内川の水が堰き止められています。

 

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庄内川が堀川に分岐するところにあるのが庄内用水元杁樋門です。
舟運に使う予定だったため、水位の異なる川と川の間に舟を渡せる仕組みだそう。
名古屋市に現存する唯一の人造石工法の建造物だそうです。

 

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しばらくは堀川沿いの緑道が続きます。
看板を読むと地下水が使われているとのことですが、水路の中の話かは不明です。
ただ、堀川の全区間の中で一番水質が綺麗なのがこの区間でないかと思います。

 

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堀川の水は矢田川側で守西ポンプ所に引き込まれていきます。
地図子は当初、堀川の水は矢田川から引かれているのかと思っていました。
でもここで水を吸って、矢田川を伏越して渡っていくのですね。

 

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それでは矢田川の様子を見てみましょう。
さすがに伏越の様子は川の上からは分かりませんでした。
右側の吸水口が堀川下流なのでここで矢田川から水を吸っていたのかと思いきや・・・
現在は大雨が降ったときに、堀川から矢田川へ排水するのに使われているようです。

 

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伏越してから再出発!

 

矢田川の堤防を上り、道路を渡るとB地点まですぐ辿り着くことができます。
B地点は黒川樋門で、ここから伏越した流れが出てきます。
橋自体は檜のいい香りがしますが、水は庄内川矢田川の間よりは濁っています。
この辺りに天然プールがあったそう・・・色々な水路に分かれるのを見てみたかった。

 

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この後ろに名古屋市上下水道局・三階橋ポンプ所があり、庄内用水の始点もあります。
庄内用水も枇杷島の方まで28kmあるとは、かなり長い水路です。

 

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結局御用水?黒川?堀川?

 

庄内川矢田川のややこしさを越えて、ようやく堀川沿いを歩き始められます!
名古屋では珍しい緑道を歩くことができて、テンションが上ります。

 

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が、しかし!
そんな地図子の目の前に現れたのは、御用水跡街園の文字!
堀川に黒川に御用水に、いったいどうなっているの!?

 

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下記が「堀川 もっと知りたい堀川のこと」という冊子を元にした地図子の理解です。
認識が違っていたらコメント欄でご指摘ください!

 

  • 1610年に名古屋城と熱田を結んだ川が「堀川」
  • 1663年に庄内川名古屋城の間に「御用水」が開削
  • 1876〜1877年に取水元が違えど、御用水とほぼ並行して「黒川」が開削
  • 御用水は廃止され、御用水跡街園に変更
  • 庄内川から名古屋城の間が「黒川」、名古屋城以南が「堀川」

 

ただ、調べていても特に堀川と黒川は特にごちゃまぜに使われています。
歩いていても黒川についての看板があるかと思いきや・・・

 

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その50m先にある看板では、堀川の水質市民モニタリングとのこと!
同じ水路を歩いているのかと錯覚するくらいです。

 

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そんなことを考えていたら、あっという間に黒川料金所まで来ました。
この辺りでは水面まで降りられるのですが、かなり濁っているので地図子も断念。
さて、黒川料金所の近くのC地点でやりたいことがあるのですが・・・

 

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今回の堀川を歩く、はここまでとします!
堀川を歩くの初回は、堀川の取水元や名前の歴史を探ることに時間をかけました。
さすが歴史が深い街の水路の歴史は複雑ですね。
まだ水路巡りをしているときにお城を眺める夢は叶っていないので、次回に期待!

 

皆さんも庄内川から堀川を歩いてみては?♡♡

 

 

 

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