ヒヤパさんは目を細めて言いました。
「地図子さん、あれは一体なんでしょうか。私は眼鏡をかけていないのでよく見えないのですが・・・」「ヒヤパさん、決して見てはなりません！なぜならあれは・・・」
ヒヤパさん(id:hiyapa)の素敵なイラストとミステリー調の文章とともにこんばんは、
皆さんが心からお待ちかねの（？）、
廃墟ガール＆地図子のお散歩第2弾です！！
（第1回はこちらから是非♡）
第1弾で北千住で午後一から暗くなるまでほぼぶっ通しで歩き続けた私達ですが、
いかんせん楽しすぎたので第2弾もやろうというお話になり、すぐに再集結！
今回の舞台はどこなのか、ヒヤパさんのイラストで分かるでしょうか？
大きい蛇に注目してもらうと、一部のマニアたちの「！」が見えるのですが・・・
東武練馬〜西高島平です！
何か範囲広いね！
板橋区で始まり板橋区で終わるこの散歩のリア充っぷりをどう伝えるか迷いましたが、
そういえば前回の北千住ではカシミール3Dでトラックを取るの忘れていたなと思い、
今回トラックを取って私達の軌跡を見直してみたのです。そしたら・・・
いやいや千鳥もびっくり、歩き方のクセがすごい！
というわけで廃墟ガール＆地図子のお散歩第2弾は、
3Dカシミールとともに東武練馬〜西高島平を妄想体験！でいきたいと思います。
街歩きの世界にどっぷり浸かりながら、れっつごー！
1.
美容師さんが何気なく「今日この後何するんですか？」と聞いてくれたのに対し大真面目に「廃墟さんぽをします」と答えてしまったがために、美容師さん目をまん丸にして廃墟仕様の巻き髪にしてくれた。（一応ハロウィンではなくナチュラルというニュアンス）
— 地図子 (@mapchizuko) 2019年11月9日
今回は東武東上線の東武練馬駅からスタートです。
東武練馬、練馬区っぽい名前ですがそれは南側だけで、北側はバッチリ板橋区。
実は地図子はお散歩の前に美容院に行ったのですが、
「廃墟ヘア」という名のナチュラル系（いつも）巻き髪にしてもらっている中、
「集合場所を練馬駅と間違えてないかな」と急に心配になったのです。
でも「まあ東武練馬と練馬からそれぞれ中間地点まで向かって、
ロミオとジュリエット並みの運命の出会いを果たすのも楽しいか！」
と謎の結論に至り、妙にワクワクしながら待ち合わせ場所に向かいました。
東武練馬で待ってくれていたヒヤパさんと余裕で会えました。当たり前です。
到着して速攻北側の谷に降ります。
東武練馬駅は崖っぷちに造られており、よくバランスを保てるなと心配になるレベル。
板橋区徳丸のアップダウンを楽しみながら進みます。
「このお家も古いですね〜壁の素材がいいです。＄＃＊＠￥・・・」
「あっ！！地図子さんちょっと待ってください！ここ止まって見てもいいですか？？」
ルートがダマになっているところが大体ヒヤパさんが目をキランとさせた場所です。
ただヒヤパさんは廃墟っぽいけど廃墟じゃない建物を見つけたとき（グレー）と、
廃墟っぽくて本当に廃墟っぽい建物を見つけて目がキランとしたとき（ピンク）で
びっくりするくらいテンションが違います。
更に驚くのは、建物に近付いてではなくて、遠目からこの違いを判断しているのです。
廃墟素人の地図子が「おおっ廃墟かも！」とヒヤパさんをチラッと見ても、
90%くらいの確率で廃墟っぽいけど廃墟じゃない建物です。
なので、廃墟っぽい廃墟だったときの嬉しさは一入です。
廃墟ガールヒヤパさんには何か建物のオーラが見えるとしか思えません。
2.
廃墟を探しながら、東武練馬のアップダウンをどんどん進みます。
わざわざ坂を下って、また階段を上ろうとしたら、東武練馬の猫様がお出迎え。
気分は完全に聖蹟桜ヶ丘で自転車をニケツするあの映画の主人公です。
猫様にご案内いただき、階段の一番上に出るとまあ眺めがいいこと！
階段の下が低くなっていて、反対側が少し盛り上がっている、
東武練馬はこの小さい谷＝スリバチの宝庫です。
3.
先ほど階段を登ったにも関わらず、またすぐにスリバチの中に下がっていきました。
ここは実は西台公園といって、高低差を活かした巨大スリバチ滑り台があるのです。
スリバチを楽しんでいるのがヒヤパさんと地図子だけならば滑ろうかと思いましたが、
親子連れがいらっしゃったのでそっと自重する運びになりました。
ここも実はヒヤパさんのお目目がキランとしたスポットでありまして、
童心を引き出すスリバチ遊具と、いい感じに目の死んだ廃墟遊具をどちらも楽しめる、
東武練馬随一の路上観察スポットでした。
4.
ここまでは東武練馬の激しいアップダウンを楽しんできましたが、
西台公園で下がった後はこのまま荒川水域の低地を行きます。
昔は環八通りが通っている谷の水を集めていたと思われ、
現在では首都高速を越えると緑道として正式に顔を現すのが蓮根川という暗渠です。
暗渠は今回廃ログ＆プチ冒険でほぼ初めての登場だったのですが、
ヒヤパさんが「これが暗渠なんですね！」と感動してくださったので、
地図子もたいそう嬉しい気持ちになりました。
蓮根川は砂状の材質で程よい舗装具合ですし、ほぼ途切れることなく残っているので、
川の名残を楽しみながら歩いていきます。
5.
蓮根川は水こそないもののちゃんとその痕跡を残していて、
ヒヤパさんとわいわい暗渠上の遊具や公園を楽しみながら歩いていました。
地図を見ると蓮根川は直線だけではなく、何とも可愛らしい緩やかな90°カーブまで！
このカーブを曲がるのを楽しみにしていた・・・
・・・その矢先に事件は急に起きました。
暗渠道の曲線美に感動して写真をパシャパシャと撮っていたのですが、
カメラを下ろしてふと道のど真ん中を見ると、何やら灰色のふわっふわのものが。
周りには小さい白いものがほわほわ。
通常見慣れた風景とは180度逆さの世界なのです。
私たちははたと立ち止まってそのふわふわの物体を見つめていましたが、
ヒヤパさんは目を細めて言いました。
「地図子さん、あれは一体なんでしょうか。
私は眼鏡をかけていないのでよく見えないのですが・・・」
一見ぬいぐるみのような物体が何かを察した地図子は、
咄嗟にヒヤパさんを庇ってお伝えしました。
「ヒヤパさん、決して見てはなりません！なぜならあれは・・・」
いえ、見ないでおきましょう、
世の中には見ない方が幸せなこともたくさんあります。
そのふわふわを避けたものの、カシミール3Dのルートには
私たちが動揺して蓮根川を見失いかけた生々しい痕跡がしっかり刻まれたのです。
正直に申し上げると地図子はコナンの首吊り自殺の描写も無理な人なので、
この散歩の後何日間かは道路に何か落ちているのを見るたびに
また死んだハ○が落ちているのかと思って生きている心地がしませんでした。
今まで数々の暗渠を歩いてきましたが、こんなダークな一面は初めてです。
蓮根川の殺○ト事件・・・根深い・・・
6.
ひょんなことから蓮根川の殺○ト事件に遭遇してしまった私たちでしたが、
気持ちを切り替えて蓮根川の先を進みます。
せっかくだからちゃんと暗渠が現役の川に合流するのを見届けておこうということで、
清らかな水の気持ちになって流れていったところ無事新河岸川に辿り着きました。
新河岸川に架かる新河岸橋から暗渠の出口を確認し、
ヒヤパさんとそのまま渡って進むか引き返すか相談しましたが、
まだ暗渠で見たいものがある！との想いから回れ右してきました。
注目すべきはここでもギリギリ北区の誘惑に負けず、
ストイックに板橋区歩きを貫いているところです。初志貫徹（？）。
7.
今回の板橋区の暗渠散歩で見たかったもの、それはヘビ公園でした。
新河岸川沿いから離脱し、わざわざ蓮根川の支流まで戻り・・・
・・・ましたが、ヘビ公園では元気に子ども達が裸足で走り回っていたので、
ヒヤパさんと地図子の滞在時間は約3分でした。大人な対応とはこのことです。
大人なヒヤパさんと地図子は大して休みもせずに歩き続けます。
ただ今回ルートがダマになっているのはヒヤパさんの目がキランとしたわけではなく、
ヘビ公園でアイスを食べる子どもを見て我慢できなくなった地図子の気まぐれです。
足は止めずにアイスをもぐもぐしながら、
新河岸川沿いでヒヤパさんは文学フリマのお話をしていました。
「毎回出ていらっしゃって顔馴染みの方も多いらしくて、あ、ちょっとこの鉄塔撮ってもいいですか、夕陽が差してきてエモいですね、私今エモいっていう言葉初めて使いました、それでTwitterのプロフィールの絵文字を統一している方とかもいらっしゃって、ちょっと喋りすぎてアイスが溶けそうですね、コーンのここが割れそう（続）」
思い返せば私たちの散歩はずっとこんな感じです。
ヒヤパさんは一体何人いらっしゃるのでしょう。
でも全部の話題に興味があるので仲良し3人と同時に話している気分です。
もちろん地図子も地図子で、
「え〜皆さん毎回遠征されて本当にすごいですね、このよく分からないジャングルスペース何なんですかね、私もZINEを作らないといけないので皆さんの冊子も見てみたいです、ちょっとこの辺りから暗渠が始まりますね（続）」
というペースなので、
このお散歩は2人で軽い団体客並みの会話量だったということをお伝えしておきます。
8.
板橋区散歩もだいぶクライマックスが近付いてきました。
この辺りは暗渠の宝庫なので、今度は新河岸川を離れ、
前谷津川の緑道を歩きながら内地に向かっていきます。
ヒヤパさんも蓮根川と前谷津川を楽しんでくださり、
特に暗渠の上に置かれている謎の動物遊具たちに興味津々だったので、
「私暗渠遊具芸人になろうかな」
と廃墟ガールとのパラレルキャリアを考え始めてくれていました。
川好き暗渠好き地図子としてはこの上ない幸せです。
前谷津川を遡上していくと線路にぶつかりました。
スタートは東武東上線の東武練馬駅でしたが、
あっという間に都営三田線高島平駅に到着し、目の前は団地だらけです。
団地をよく観察すると、スーパーも100均も薬局も1階に入っている物件が！
おまけに高島平駅から歩道橋を渡ってすぐなので、
住みたい物件の基準が駅から走って30秒の地図子にとっては喉から手が出るほど羨ましい！
ヒヤパさんがまたしてもお目目をキランとさせていらしたので、
思う存分寄り道をした後で、「この後どうします」との話になりました。
でも路上観察好きなガールが2人集まるとどうなるか、その答えはただ一つ・・・
「せっかくだから2駅先の終点を目指しますか（キリいいし）」
で満場一致です。
暗くなってもはや写真に何も映りませんが、そんなことは関係がないのです。
9. 
新高島平を過ぎてようやく辿り着きました、東京の最果て西高島平！
線路沿いではなく南側のカーブを歩いてきましたが、
この辺りはすっかり団地密集地ではなく普通の住宅街でした。
ただし、西高島平の駅前は相変わらずなかなかの最果て感です。
思い返せばこんな最果て西高島平との最初の出会いは
地図子、白子川を歩く －2 都県境から新河岸川との合流地点まで－ 。
そしてなぜかこの秋地図子は
地図子、黒目川を歩く －1 新河岸川合流地点から都県境まで－ と
次の記事（！）と今回で3回も来てしまいました。
もう葛西臨海公園かよっていう臨海感まで醸し出している西高島平ですが、
なんか惹かれて来てしまうことをヒヤパさんにお話ししたら、
「実は地図子さんは密かに西高島平が好きなのかもしれませんね」
・・・！そうだったのか！（？）新しい地図子の一面に気付くことができました。
そんな西高島平でずっと気になっていたあのスポット！
ヒヤパさんにバッチリ点検していただき、満足満足な1日でした🎵
今回の廃墟ガール＆地図子のお散歩第2弾はここまでになります。
東武練馬駅から北上し、都営三田線を蓮根駅から西高島平駅まで5駅分は歩き、
この日はトータル28,000歩！（第1弾は24,000歩）
日が短くなってきたのでここまででしたが、
白夜のグリーンランドとかで歩いちゃったら5万歩とかいきそうです。
これからもたくさんマシンガントークしつつ、
ヒヤパさんには暗渠遊具芸人として是非アメトーークに出演していただき（？）、
地図子は遠目からでも正確に廃墟診断ができるように鍛錬していきたいと思うので、
これからもどうぞよろしくお願いします！
そして今回のスリバチや暗渠については
板橋区のバイブルである『板橋マニア』を参考にさせていただきました。
いつもありがとうございます。
- 作者: 橋本敏行,皆川典久,?山英男,吉村生,小林政能,大山顕,飯塚裕介,高島平観光協会(仮),荒井禎雄,刈部山本,ロザリー,高橋法子,塚はなこ,麻生怜菜,板橋区,フリックスタジオ
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皆さんも板橋でスリバチ暗渠団地廃墟全部踏破してみては？♡♡
