皆さんこんばんは、地図子です。
2019年も1人で歩くのはもちろん、数々の地図イベントに参加してきました。
今回は12月14日にNHK文化センターが開催した、
本田創さんの「暗渠さんぽ 失われた川を歩く」講座から水窪川をお届けします!
普段は団体で歩くイベントについてあまりレポートしないのですが、
なぜかというと一人で歩くときのように川の最初から最後まで歩かないから、です。
(地図子の川歩きは最初から最後まで川の隣を歩く!が鉄則なのです・・・)
スリバチ学会のフィールドワークはがっつり川を横切っていきます。それも楽しい。
皆さん独自のルートを考えていらっしゃるので、
書くことではなく、純粋に歩くことを楽しむことにしています。
けれど本田創さんの水窪川を歩く暗渠さんぽでは、
元々水源がある場所から神田川への合流地点までがっつり歩いてしまいました!
本田さんの丁寧な解説付きで暗渠沿いを全部辿れるのは幸せ者です・・・
普段から暗渠を歩くときは本田さんの書籍を参考にさせていただいてるので、
今回はフィールドワークを参考に、水窪川で気になった写真10枚について書きました。
水窪川沿いをれっつごー!
- 1. 美久仁小路への秘密の入り口
- 2. 小さな日光ワンダーランド
- 3. 本屋さんの原点
- 4. オペラハウス階段
- 5. 護国寺と窪み
- 6. 暗渠は続くよ
- 7. 晴れても水浸しの駐車場
- 8. 鳩山家の秘密
- 9. 暗渠名物
- 10. 最後の最後で入れ替わり
1. 美久仁小路への秘密の入り口
まず、水窪川とはどこを流れている川なのか?
というと池袋駅の東側を水源として、東池袋駅や新大塚駅の方を通り、
護国寺からも支流を受けて、音羽通りの東側に沿って流れて、
最後に江戸川橋駅近くで神田川に合流します。
水窪川が面白いのは、1933年と戦前に埋め立てられた川であるということです。
このため、以前歩いた烏山川や宇田川と違って、緑道が一つもありませんでした。
川の流路を残している部分も多いですが、長年の都市化で分からない部分もあるので、
今回本田さんのフィールドワークに参加できて良かったと思うポイントです。
東池袋駅でスタートして、まずは水源があった美久仁小路に向かいます。
今も古き良き飲み屋が多い路地ですが、ここに昔は池があったそうです。
美久仁小路へは入口と出口があって、昔の池袋の写真も展示されています。
写真の右側で切れている出口から歩いてきて、よいしょと振り返ると、
なんと出口とは違う場所に第3の入り方を発見してしまいました。
ここもまだ路地に繋がっているのでしょうか・・・それとも隠れ家へ?
2. 小さな日光ワンダーランド
東池袋といえば、巣鴨プリズン!
・・・が以前あった池袋サンシャインシティを横目に、住宅街に入ります。
家が密集している中に、何やら不思議な広場が残っていました。
「火の用心」の旗や防火水槽マークがあるように、
ここは密集住宅地の防火対策として造られたスペースでした。
よく見ると、その名も「日光広場」!
後ろには日光の山々らしき飾りもありますし、右には華厳の滝?のオブジェまで。
無限にツッコミどころがあって、大の大人たちで話し込んでしまいました。
個人的には下の窪んでいるところにお湯を流してくれると、良い足湯になるかなと!
3. 本屋さんの原点
もう一つ広場特集です。こちらは辻広場。
ここは80年代に住民主導の街づくりプロジェクトで計画された広場だそうです。
地図子のお気に入りは右の本棚!
本当に持ち寄り本棚として造られたそうですが、おままごとの本棚みたいですよね。
雨が降ったら本はどうなるんだろう、と邪念を抱いてはいけません。
この辻広場の目の前には怪しい廃墟があったり、昔茗荷畑があったりしたようで、
昭和な雰囲気を味わうことができる小径になっています。
辻広場もいつまで残るか分からないですが、本棚の子ども心はずっと保ちたいものです。
4. オペラハウス階段
最初は東池袋の「これ・・・かな、窪み?」のような高低差しかありませんでしたが、
進むにつれて川跡と周りの高低差がどんどん大きくなってきました。
そうすると現れるのが階段です!
新大塚駅辺りは階段のパラダイスで、みんなで何枚も写真を撮ったのですが、
その中でもお気に入りはこの180°階段!
どの家にも対応している、作り手の優しさが見える階段です。
ここに住んでいたら下でオペラを開いてもらって、階段に座って聴きたい。
階段の他にもマンホール、電柱、石の種類、猫様など、
水窪川は色々なマニアの心をくすぐる場所でした。
参加していた全員が、写真の容量がすごいことになっていたと思います。
5. 護国寺と窪み
護国寺にやってきました。
護国寺は第5代将軍徳川綱吉が母・桂昌院から依頼されて創建しています。
護国寺の本堂は階段を登った高台の上にあって、
ここから今の音羽通りを流れる水窪川や弦巻川が見れたのかな〜と妄想してしまいます。
護国寺は水窪川の中で一番水源らしさを楽しむことができる場所かもしれません。
本堂の裏の墓地の奥に、今でも窪地が残っていて、
運が良ければ水が溜まっているのを見ることができます。
窪地は豊島岡御陵の中に続いていて追うことはできないのが悲しいところ。
その他にも、昔境内にあった蛇池からの流れに架かっていた石橋が残されています。
6. 暗渠は続くよ
暗渠を辿っているのに珍しいものが多すぎて、全然暗渠の写真を撮っていませんでした。
音羽通りに入ると、隣が崖のような高低差になります。
この日は晴れていましたが、水が壁から染み出ているところも多かったです。
大通りとのギャップが良くて、こういう道こそ暗渠さんぽの醍醐味!だと思えますね。
7. 晴れても水浸しの駐車場
これこそ音羽の崖の最骨頂!
この日は晴れているし、台風シーズンも過ぎたのに、駐車場が水浸しです。
東京のど真ん中の駐車場で、川が生まれる瞬間が見れるとは・・・!
この小さな川を辿っていくと、駐車場の壁に辿り着きました。
中には大谷石でできた階段もあって、駐車場1つ取ってもわくわくスポットだらけです。
8. 鳩山家の秘密
音羽通りといえば、鳩山会館ではないでしょうか。
洋館に着くまですごい高低差だし、一般人と生活が違いすぎてくらくらするのですが、
悔しいけど一見の価値ありです、鳩山会館。
そんな鳩山会館のふもとに、水窪川が流れていた痕跡が残っていました。
水が流れていたところが空き地になっていて、橋の下にもスペースが残っています。
プロのスケートボーダーがいたら、この下をざざざっと滑ってほしいです。
(覗いてみたら反対側に通じていましたが、猫くらいしか通れないスペースでした)
9. 暗渠名物
音羽通りの崖もそろそろ終わりですが、ここで暗渠さんぽ名物!
崖から流れ出る湧水を受け止めるバケツです。
羅漢寺川の回でも下に水瓶を置いているのを見かけましたが、とても可愛らしい。
タイミングによってはこの下に草木を置いて、水やりしているご近所さんもいるとか。
川でなくなっても住民の人が暗渠を楽しんでいるんだな〜と感じる、微笑ましい光景です。
10. 最後の最後で入れ替わり
遂に水窪川は神田川に合流して、ゴール!
約3kmの道のりとは思えないほど、気になるものが多すぎて、
10枚にまとめるのが大変な暗渠さんぽでした。
最後に驚いたのが水窪川の合流地点。
音羽通りの東側を水窪川、そして西側を弦巻川が流れているので、
普通に考えたら江戸川橋の東側にある穴が水窪川の合流地点だと思いますよね?
けれどもなんと、江戸川橋の西側にある写真の穴が水窪川の合流地点だそう!
下水を整備する中で、何らかの理由で逆に付けられたのではないかとのことです。
気になって文京区関口2丁目の下水道台帳を見てみましたが、本当に逆になっている!
教えていただかなかったら気付きませんでした・・・本田さん、ありがとうございました。
というわけで今回の水窪川を歩く、はここまでになります。
戦前に埋め立てられた川は自分では追うのがなかなか難しい部分もありますが、
更に昔の江戸時代などについても想像力が膨らむようになり、とても勉強になります。
道路や街並みの再開発が進み、既に本田さんの本の写真とも違う場所もあったので、
たまに訪れた変化をチェックしたい暗渠になりました。
今回は地図子が気になった10枚の写真でご紹介しましたが、
本田さんの実際のフィールドワークではとても詳しい解説と資料付きなので、
暗渠に興味がある方は、来シーズン申し込んでみてはいかがでしょうか。
(地図子にも会えるかも?)
暗渠バイブルとも言える、本田さんの書籍はこちらから(水窪川も載ってます!):
皆さんも水窪川を歩いて、戦前の川沿いの風景を想像してみては?♡♡