ふと思い立って、プチ冒険

私は鉄子ではなく、地図子です

山手線二十九景 -9 品川-

品川は、新幹線が通る大ターミナルだが、難解なことがいくつかある。

 

 

 

 

 

1つ目に、品川駅は品川と付くのに品川区ではなく、港区に位置する。

 

2つ目に、品川より北品川の方が南にある。

 

この2点については、東海道品川宿はもともと品川区の北側の北品川近辺にあり、

現在の品川はそこを避けて更に北側に造られたからだそうだ。

 

 

 

 

 

そして3つ目に、大ターミナルでお店がたくさんありそうなのに、

キットカット抹茶味を置いているお店は1つもない。

 

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今回はラオス人の友達が

東南アジア出身の学生向けのツアーに参加し、

品川プリンスホテルに宿泊しているというので、夜会いに行った。

 

シャンデリアが明るいロビーでふかふかのソファでに座り、友達を待っていると、

色々な東南アジアの国の学生が興奮しながらその日のツアーについて話している中、

友達が他のラオス人7-8人と一緒に現れた。

 

ツアーは楽しかったかどうか聞くと、東京を色々回った話をしてくれたが、

最後にその日が最終日なのでお土産を買いたいと言う。

 

「どんなお土産を探しているの?」と聞くと、

「MACCHA KIT KAT!」

との明るい返事。日本からのお土産3本の指に入る定番だ。

 

 

 

そういうわけで、7-8人の他のラオス人の子たちもわいわい連れて、

20時過ぎの品川へ繰り出す。

探すべくはもちろん、キットカット抹茶味だ。

 

 

 

まずは、品川駅の高輪口側のコンビニなどを探すが、

そもそもコンビニがあまりなく、

キットカット抹茶味のファミリーパックは見つからない。

 

次に、品川駅の駅ビルを探す。

東京駅は地下1階や1階に新幹線利用者用のお土産さんが多くあるが、

品川駅はコンビニしかない。そして抹茶味もない。

 

友達に他のお菓子はどうかと勧めてみるが、

「う~ん」とお菓子を手に取っては戻す。

そうこうしているうちにお店もだいぶ閉まってきた。

 

 

 

 

 

 

 

最後に、友達に、

「ごめん、品川にはキットカット抹茶味はないみたい。

今度会うときには探して、お土産として持って行ってあげるね。」

と申し訳なく伝えた。

 

すると友達は、

「そっか~。それは残念。

でもこのツアーで日本がとても素晴らしいと思ったから、

絶対また来るよ!そのときにキットカット抹茶味も買う!

 

 

 

 

 

ちなみに、この後渋谷にみんなで遊びに行こうと思うんだけど、

そこには抹茶味売ってるかな?」

 

 

 

 

 

おったまげー!!

さ、先に言っていただけると・・・

 

 

 

 

 

というわけで、最終的にラオス人10人弱を

ツアーガイドのように山手線の中に1人残らず誘導し、

終電まで遊ぶつもりなのを、終電1本前の電車の時間を念を押して伝えたのだった。

 

その後、友達は本当に半年間日本に留学に来たので、

学生向けのツアーで日本に好感を持ったか、

相当キットカット抹茶味をはまってしまったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

品川にキットカット抹茶味が置かれていないのは、

難解だが重要な意味があるようだ。

 

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