ふと思い立って、プチ冒険

私は鉄子ではなく、地図子です

【東京人的】新宿副都心女子の辺境旅

新宿といえば・・・
東京が誇るあの高層ビル群を、誰もが想像するのではないでしょうか。
そうでなければ、ギラギラネオンの歌舞伎町。
高島屋伊勢丹などでショッピング、外国人が集まるロボットレストラン・・・

 

そんな近未来なイメージの新宿ですが、新宿区全体で見るとそれはほんの一部?
そもそも新宿区ってどこまでが範囲なのか、普段あまり気にする機会がありません。
ちょっと変わった新宿区を探すために辺境がどこなのかを調べてみたら、
びっくり、地図子に縁が深い場所ばかりでした・・・!

 

新宿西口のオフィス街でヒールをカツカツさせている新宿副都心女子。
そんな女子のスニーカーでの休日辺境旅気分でお付き合いくださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

西の境界線:神田川妙正寺川

 

西側から新宿区をぐるっと時計回りするこの辺境旅。
新宿西口より西に果たして何があるのか、思い返してみます。
左を向いたアヒルのような形をした新宿区の、鳩胸の部分を見ていくと・・・

 

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そうでした、西の境界線の南半分では中野区との間に懐かしの神田川が流れています。
遠くに高層ビルは見えますが、この辺りは洪水しやすい地形と相まって、
かなりレトロな雰囲気を醸し出していたのでした。

 

神田川にはヨドバシカメラで有名であろう、淀橋もかかっていました。
新宿区は元々淀橋区、四谷区、牛込区を統合した区ですが、
その名残を新宿区の辺境で確認することができます。

 

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そして西側の境界線でもう1つ忘れてはいけないのが、妙正寺川
意外にも都営大江戸線中井駅落合南長崎駅などは新宿区の中に収まっていて、
中野区で有名な哲学堂公園はギリギリまで新宿区が迫っています。

 

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妙正寺川が新宿区と中野区の境界線を走る住宅地では、
川があった頃の影響と思われるハイパー高台住宅やトマソンを見ることができます。
高層ビルの景色は新宿区の象徴ですが、トマソンがある風景も新宿区の一部です。

 

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北の境界線:神田川

 

新宿区の北端には・・・またしても神田川
北側では豊島区、そして文京区と境界線を接しています。
高層ビルが並ぶ新宿というよりは、ごちゃごちゃした学生街・高田馬場という雰囲気です。

 

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地図をよく見ると、高田馬場駅江戸川橋駅の間の区境はとてもギザギザしています。
新宿区水道町と文京区水道という住所がそれぞれあったり・・・
このギザギザな区境は、昔の神田川の流路の名残だそうです。

 

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近くには甘泉園公園、肥後細川庭園、椿山荘など、
高台からの湧水が豊かな(過去の場合もあり)場所も残っているので、
副都心の喧騒を離れてゆったり歴史散歩をするのにうってつけです。

 

 

 

東の境界線:外堀 

 

東側に回ると文京区との境界線にあるのは、外堀です。
この辺りは先ほどの旧区でいうと牛込区にあたり、今は神楽坂周辺が賑やかです。
江戸時代であれば、ここから先はもう江戸城の中になるのですね。

 

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徳川家康が江戸に入って江戸城を建設する前にも、牛込区にはお城がありました。
大胡氏が今の光照寺付近に建てた、牛込城です。
中世のお城なので本格的な堀は作らず、自然の谷を堀として転用したと言われています。

 

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窪みが牛込城のお堀だという説。



 

南の境界線:新宿御苑からの・・・

 

最後に巡るのは、新宿区の南側の境界線です。
意外に思えますが、新宿駅はギリギリ新宿区に建てられていて、
南口から出るとすぐに渋谷区に入ってしまいます。


その他にも新宿御苑は新宿区と渋谷区が半々、明治神宮外苑はほとんど新宿区、
赤坂御用池は完全に港区、と境界線○×ゲームができそうです。

 

新宿御苑の中では、どこが新宿区と渋谷区の境目なのかしら?
そのことについて、今までの東京人シリーズ3つを振り返りながら考えるのが、
実は次回からの企画なのです・・・お楽しみに♡

 

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新宿区内部の失われた水面

 

そんな感じで辺境旅をしていたら、新宿区はほとんど、
川や堀で囲まれていることが分かってしまいました。
(川歩きが好きな新宿副都心女子・地図子の世界がそう回っているとも言える)

 

しかし、現在の新宿区の内部には、ほとんど水面が見える川や池はありません。
でもそれは昔からそうだったわけではなく、
いくつかの川や池が副都心形成の中で失われていったのです。

 

最後はそんな失われた水面たちを振り返っていきたいと思います。

 

 

 

そもそも論的な新宿西口高層ビル

 

そもそも冒頭から副都心の象徴として挙げている西口の高層ビル自体が、
元々熊野神社の十二社の池・十二社の滝があった位置でした。
昭和の頃にどちらも埋め立てられ、淀橋浄水場となっています。
その浄水場自体も役目を終え、今では高層ビルが建つばかり。
水があったとはつゆにも思っていない人が大勢でしょう。

 

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隠れている川たち

 

中心にあったので全然登場しなかった最後の旧区、四谷区。
ここには人工的な玉川上水も通っていましたが、
それ以外にも昔は窪地を流れていた自然の川もありました。

 

「君の名は」で有名になった須賀神社近くの鮫川という暗渠と、
その支流を歩くと、新宿区とは思えないレトロな世界が広がります。

 

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奥の崖からは水が流れていたのだろうか。



 

がま池、琵琶池ときたら・・・

 

最後に水が大好き地図子定番の幻の池シリーズ。
港区のがま池、渋谷区の琵琶池ときて、新宿区でももちろん巡ります。

 

その池へは四谷三丁目近くの新宿区荒木町の中にあります。
大通りから1本路地に入ると、昔ながらの居酒屋が多く並んでいます。

 

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長い階段を下って辿り着いたのは・・・

 

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津の守弁財天が祀られている策の池でした。
新宿区のど真ん中とは思えない秘境の雰囲気です。(しっかり蚊に刺されました)

 

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そしてなんとこの策の池、140年前は荒木町の谷底全域を覆っていたとか。
当時は池の端にお茶屋さんなどが立ち並んでいたそうです。
しかしその後開発される中で、今のサイズまで縮小されて今日まで残っています。
う〜〜〜ん、これは幻の池にふさわしい!!

 

 

 

近未来なイメージの新宿も境界線には本物の川、
そして中心にも自然な水の痕跡がたくさんあるよという、
完全に地図子の川愛が溢れる辺境旅になってしまいました。
新しいものを受け入れ、古いものも静かに残す新宿区がとっても好きです。

 

皆さんも水とは無縁そうな新宿区で、水を探す辺境旅に出てみては?♡♡