ふと思い立って、プチ冒険

私は鉄子ではなく、地図子です

地図子、呑川を歩く -2/2 開渠地点から旧呑川河口まで-

2018年かっとばしてますか、地図子です。

地図子の2018年のかっとばしも前回のブログから始まりました。

今年は新年早々呑川について実地調査を重ねております!

 

 

 

chizuchizuko.hatenablog.com

 

 

 

今回の後編では、前回遂に呑川が開渠として姿を現した目黒区大岡山(B)から、

大田区を横断し、東蒲田で現在の新呑川ではなく、

元々の流れであった旧呑川沿いを歩いて東京湾(C)まで出ます。

大田区をじっくり歩くのは初めて!

どんな冒険が待ち構えているのでしょうか、れっつごー!

 

 

 

 

 

 

さあ、前回遂に開渠となった呑川ですが、あれ?

何か思ったより水量が多い・・・?

 

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それもそのはず、何と呑川の開渠部分に流れるのは暗渠内の水ではなく、

まさかの神田川沿いの落合水再生センターで高度処理された水が送られているのです!

ここで神田川の思い出が蘇るとは思いませんでした。落合中央公園懐かしい・・・

あそこの水をここに流そうと思い付いたのは、どんな人だったのでしょうか。

落合水再生センターからの軌跡を追えるのか気になります。

 

 

chizuchizuko.hatenablog.com

 

北に振り返ると、地上部分を東急目黒線、2階部分を東急大井町線が通り過ぎ、

西を見ると、別の暗渠らしい歩道がありました。

こちらが自由が丘のオシャレなベンチの道で有名な九品仏川支流の緑道です。

 

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妙正寺川神田川に合流する前に一度消えゆくようなカーテンを確認し、

呑川沿いウォーキングを再開です。

この大田区石川町近辺では、呑川を推す公園が多く、

呑川の歴史について語る「呑川物語」を掲載した石碑もありました。

6番目の石碑に、旧呑川から新呑川に付け替えられた経緯についても書かれています。

その他にも水の音がして暗渠らしき道や、大田区の土嚢も発見です。

 

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しばらく進むと車通りが多い、中原街道と交差します。

こちらには本物の柳とともに、柳橋が設置されていてなかなか風情があります。

1774年には既に呑川を越える石橋が存在し、

石橋の無事と通行人の安全を願って供養塔が置かれていたそうです。

いかに呑川を渡るのも一苦労だったのかということが象徴されていますね。

 

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中原街道を越えると、すぐに、

東急池上線石川台駅雪が谷大塚駅の間の下を流れます。

線路の真下の暗渠は現在公園になっていました。

ここからは中央線並みに真っ直ぐで人工的な川沿いを歩きます。

 

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ここでは呑川が石川台の希望ヶ丘商店街と平行に流れます。

ただし、商店街から北東向きの荏原病院に向かってはとんでもない坂です。

さすが坂の街、大田。今回は雪見坂を訪れたところ、

あまりの勾配に同じように写真を撮っていらっしゃる方がいました。

稲荷湯という銭湯もギリギリ開業していて、石鹸のいい匂いがしました。

近くには明神湯という銭湯もあったようなのですが、また次の機会に。

 

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進むとまた同じ方向に向かって勾配がきつすぎる坂があります。

その麓にはピノキオ児童公園という名前の公園があり、

なぜか恐竜がお出迎えしてくれます。

きつすぎる坂の近くには心臓破りな階段もありました。どちらがいいのか・・・

 

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東海道新幹線の下をくぐると、西馬込駅が近くなり、

川沿いの雰囲気が工業地帯・大田に変化してきます。 

都営浅草線から流れる湧水を呑川に流そうという事業も動いているそうです。

 

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さあ、そろそろこの呑川を歩くの後編で、

一番楽しみにしていたところが近づいてまいりました!!

東京都南部に引っ越そうと思ったあたりから楽しみにしていて、

人生で今回初めて訪れます。

呑川の柵もそれっぽいモチーフです。

その目的地とは・・・

 

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大田区池上1丁目1番1号に所在する池上本門寺です!

以前ふと東京都にはいくつ江戸時代以前の五重塔が残っているんだろう?と思い、

調べてみたところ、東京には何と2つ!

上野の寛永寺五重塔と、こちら池上本門寺五重塔だけだそうです。

寛永寺は江戸時代栄えていた下町にあり、よく名前を聞きますが、

池上本門寺はそのとき初めて聞いたので、

地図子、多摩川近くの歴史名所は行ってみるしかない!!

 

池上本門寺ウェブサイト

 

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総門から階段を上ると、年末でほとんど人がいなくて静かでした。

有名な紫の幕を前にすると、手を合わせないと!という衝動に駆られてしまいます。

参拝した後の景色もまた素敵です。

 

少し東に逸れたところに、お目当ての五重塔もありました。

気分はもうすっかり江戸時代の参拝者です。

以前台地に水を汲み上げていたような井戸も発見しました。

 

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地図子的楽しみポイントはもう1つあります。

池上本門寺武蔵野台地の端にあると聞いていたので、

台地からの眺めを楽しみにしていました。

仁王門から総門への階段を見下ろすとこの通り。下に呑川が流れています。

絶対ここを狙って建てたよな、やりおる〜!という感じです。

 

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階段を降りて平地に戻り、次はお隣の池上会館にお邪魔します。

ここは、池上本門寺の存在を知ってから楽しく読ませていただいている、

id:Ikegamiblog_tokyoさんのブログでも取り上げられていた展望台を目指します。

 

ikegamiblog-tokyo.hatenablog.com

 

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人気の少ない池上会館に入り、わくわくしながらエレベーターで上がると・・・

 

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ほわっ!??

目の前にまた五重塔が出てきて、びっくりしました。

池上本門寺と池上会館の屋上庭園は繋がっております。

ブログの景色の写真に気を取られて、最初の方全然ちゃんと読めてなかった・・・

 

 

 

屋上庭園からの眺めは綺麗でしたが、何か少し見づらいな〜と思っていたら、

ほわっ!??

id:Ikegamiblog_tokyoさんのブログに書かれていたのは、その更に上の展望台

羽田空港とか武蔵小杉のビル群とか見たかった・・・また出直します(泣)

富士山は屋上庭園からも見えたので、まあ良しとします。

 

 

 

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散歩のときにはそんなことはゆめにも思わず、

池上本門寺を訪れることができたことで心踊りながら呑川を歩くの再開です。

ただ、池上本門寺で結構綺麗な夕焼けを見れたということは・・・

地図子恒例のタイムトライアルが危ぶまれますね・・・

呑川沿いの生き物たちも頑張って励まして(?)くれています。

 

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池上から進むと、六郷用水についての説明がありました。

六郷用水というと、多摩川に近い沼部駅鵜の木駅のイメージだったのですが、

今回のこちらは六郷用水の北堀の跡だそうです。

沼部駅鵜の木駅の方は南堀)

 

六郷用水自体は、狛江市から世田谷区、大田区と流れる農業用水で、

一部区間のみ丸子川として残っていて、その他は用水路や歩道だそうです。

そして千鳥町駅近辺で南北に分かれた後、北堀は、

途中で呑川を渡り、最後に内川に流れ込んでいたそうです。

内川は大森ふるさとの浜辺公園に流れ込む川として一部現存するので、

今度は六郷用水を歩く、もやらないとですね!

 

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日が暮れませんように〜!と祈りながら歩いていると、2つ驚きが!

1つ目は、すいすい泳いで餌を食べる鳥がいたのですが、

どう見ても頭は鳥、下半身は魚にしか見えない。

大田区七不思議。地図子、呑川を歩いて新種を発見しました。

2つ目は、誰かが靴、忘れていってましたよ〜!

 

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そんなこんな歩いていると、やっとJR・東急線蒲田駅近辺に到着です。

JRの高架下を歩きますが、京急蒲田駅まではまだまだ。

 

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呑川に沿って京急蒲田駅を目指します。

神奈川県出身者としては、蒲蒲線は激しく熱望しておりますが、

呑川を歩いてみたら、最悪JR・東急蒲田駅から京急蒲田駅

小舟で繋いじゃえば???と思ってしまいました。

せめて動く歩道はほしいですよね。遠いよ〜〜!

 

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すっかり夕焼け小焼けになってきた中、京急線京急蒲田駅を越えて、

大田区石川町の石碑にあった、第一京浜の夫婦橋まできました。

空が何とも美しい淡い色をしているけど、これって暗くなるってことだよね・・・

 

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呑川の川幅が広くなりましたが、

こちら大田区立東蒲中学校・宝来橋あたりで、

呑川旧水路新水路に分かれます。

新水路を追う場合は水の流れに沿って行けばいいのですが、

今回のように旧水路を追う場合は、1本北の道へ入ると・・・

 

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このような旧呑川緑地に入ります。

大小ありながらも、また歩道や公園になっていて、

れっきとしたニャン渠、いや、暗渠です。

 

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ここで世田谷区以来の、橋のトマソンが復活します。

「ふき」橋にしか読めないのですが、正解は「きらず」橋だそうです。

不忍池的なね。

 

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途中は下水からの風が生温かく臭いマンホールが公園のど真ん中にあったり、

オシャレな子どもたちがいたり、となかなかセンスに溢れます。

 

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そして遂に暗くなってきて、カメラがブレブレになってきました。

何回か上に道路が走っていると、低きを流れる水の気分になります。

ただ、もう少し人通りがほしい・・・・・

呑川は洪水をもたらす悪の川だったのか、飲み水をもたらす善の川だったのか?

という看板がかろうじて確認できました。

 

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残りわずか!かろうじて水の名残があるような池や、小さい古墳を経て、

キャッチボールができそうな何もない公園が緑地の行き止まりです。

ここから最後呑川東京湾に注ぎ込むのを見たい、

と思ったら・・・!

 

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暗くてブレブレですが、ここで今回初めて、高所ドアのトマソンを発見です!!

呑川沿いはずっと工業地帯だったのであると嬉しいな、と思っていたのですが、

最後の最後で本当にあるとは!!ありがとう、工業地帯・大田

 

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最後に呑川水門の隣の階段を上がると、「君の名は」のような夕焼けです。

上に架かるのは見晴らし橋。どんな景色なのかというと・・・

 

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またブレていますが、旧呑川の河口が少しくぼんで東京湾に流れ込んでいました。

海の夜景もなかなか美しいです。

今回も無事歩き切れて良かった〜!!

 

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地図子、呑川を歩く、を歩き切ったところで、

最後の懸念は:

どうやって家まで帰ろう???

 

本当は新呑川を遡上して蒲田駅まで帰るつもりでしたが、日が暮れたし、寒い。

そんなとき、Google Map大先生に確認すると、

見晴らし橋を渡った反対側の昭和島から大森駅までバスが出ているよう!

 

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おおおおお。

時間帯によっては本数が少ないですが、

たまたま工場からの帰りのバスが充実している17時台だったので

10分足らずでバスに乗車することができました。

バス、暖かい。ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで大森駅まで戻り、無事呑川に歩くの初回を歩き切ることができました。

今回歩いてみて思ったのは、

俄然大田区に興味が湧いた

ということです。

 

なぜなら大田区は台地と平地の差が本当に激しく、

イコール面白い坂や階段がたくさんありそうだからです。

池上会館の展望台にもリベンジするがてら、あの辺りの坂も歩きたいです。

 

先日日本経済新聞のコラムに東浩紀さんも書かれていたように、

地図子は何となく多様性がある街に惹きつけられてしまいます。

今後もう少しその多様性を解明していけたらと思います。

 

ぼくはかつて、大田区の世帯別収入の推計値を町丁目ごとに図示した地図を見たことがある。じつは大田区ではその分布はみごとに等高線と重なっている。坂のうえは一般に収入が高く、坂のしたは収入が低い。大田区は土地の高低差が大きい区で、収入の格差も大きい。それが風景と住民の多様性を生み出してもいる。田園調布と蒲田では、まるで別の区のようだ。

 

そして最後に恒例のid:miwa3kさんの呑川紀行との比較です。

呑川緑道を歩いているのが、緑鮮やかなお昼下がりで羨ましいです(笑)

 

miwa3k.hatenablog.jp

 

 

 

地図子の呑川シリーズはまだまだ続く予定ですが、

皆さんも呑川沿いを歩いて東京都南部の多様性を肌で感じてみては?♡♡