皆さんこんばんは、地図子です!
クロアチア旅行は完全にオンラインでの妄想でしたが、
今回はリアルな・・・世界の水紀行です。
1月に訪れて公開しようしようと思っていたのですが、
思いの外、鶴見川シリーズが盛り上がったので、3ヶ月越しでの公開です。
当時はまだコロナなんていう言葉を聞き始めたくらいでした・・・懐かしい。
さて、地図子はベリーダンスを習っています。
2018年にもベリーダンスを見るためにモロッコを訪れたら、
モロッコ水紀行 -前編 地中海性気候- や モロッコ水紀行 -後編 砂漠気候- のように
水の景色にハマって、地図ラー1に寄稿までしちゃったわけですが・・・
今回も懲りずにベリーダンスを見に行ってきました・・・エジプトへ!
エジプトといえば、もちろんベリーダンスだけではありません。
地形好きが特に気になってしまうのが、ズバリ世界最長級の河川、ナイル川!
・・・とはいえ他の地形的特徴は知らないなと思い、エジプトの地形図を探しました。
リンク先を見てみると、シナイ山や紅海沿いが高くなっていますが、
大半のエジプトの大地は比較的平らで、ナイル川の流路だけ少し凹んでいます。
モロッコとは一変、本格的に砂漠地帯なエジプト。
この国の水事情はどうなっているのでしょうか?
今回も観光ではなく水目線で、カイロや南部のルクソールとアスワンを見てみます!
それではれっつごー!
エジプトの大動脈、ナイル川
地形好きがエジプトに行ったら、まずはナイル川を見ないとですよね!
そういうわけで丸1日飛行機を乗り継いでカイロに到着した当日の夜、
早速ナイル川で夜のクルーズを楽しんできました。
どうでしょう・・・ナイル川と言っても夜、そして大都会カイロだと、
川幅的にもなんかちょっと隅田川にしか見えなくもない・・・?(失礼)
カイロの中心街はナイル川の東岸にあり、
2011年に革命が起きたタハリール広場や、外資高級ホテルもこの辺り。
その目の前にはゲズィーラ島という中洲の島もありますが、
ここも元々巨大なブラーク島であったのが氾濫で分断されて今の形になったそうです。
世界最長級の河川のナイル川も、大都市の中だと隅田川なんかい!
と思われたあなた。ご安心ください。
カイロから飛行機で1時間ほど南下したアスワン、ここでもナイル川は流れていました。
地図を見ても、上流のアスワンの方が中洲の島がたくさんあって、
カイロほど形状が都市化されていないように見えます。
カイロにもアスワンにもナイル川の氾濫具合を測っていたナイルメーターがあり、
ナイル川の水量が人々の暮らしに大きく影響を及ぼしていたことが分かります。
なんて言ったって隅田川とは違って、川のすぐ隣は砂だらけなのですから。
砂漠の中を悠然と流れるナイル川。
エジプトの民がどのようにナイル川の恩恵を受けていたのかもう少し見ていきます。
定番はやはり井戸
まずは古代からどのようにナイル川の水を使っていたのか?
モロッコのときも見ましたし、日本でも共通ですが、やはり基本は井戸です。
エジプトでは主に神殿やモスクを案内され、井戸に着目する女子はほぼいないですが、
目ん玉を見開いているとあります、あります。
<カイロ>
オールドカイロの聖セルジウス教会の地下室にあった井戸。地図子大興奮。
セルジウス教会はイエス・キリストとマリア様が匿われたと言われています。
<ギザ>
有名なスフィンクスへの道のりにも、閉ざされた井戸が残っていました。
そして階段ピラミッドの敷地にも井戸を発見です。
ピラミッドが墓だとしたら、誰用の井戸だったんだろうと気になって仕方ありません。
<コム・オンボ>
ルクソールとアスワンの間のコム・オンボ神殿。
ここには円形の井戸の形をしたナイルメーターがありました。
神殿はオリンポスの丘の上に立っているので、
深く掘ることで少し離れたナイル川の水位を確認することができたようです。
肥沃な土地を支える用水路
地図子が観光したのは定番のクフ王のピラミッドだけでなく、
ダハジュール地域の屈折したピラミッドや赤いピラミッドも中に入りました。
通路が狭すぎてインディ・ジョーンズ感。そして最後の部屋には大量のコウモリが待ち構えていました。
そんなスリリングな観光の帰り道にも気になる水辺を発見!
地図で見てみるとよく分かるのですが・・・
ナイル川の西側に真っ直ぐな水路が流れているのが分かりますでしょうか?
しかも水路沿いの道には"Aswan Western Agricultural Road"との文字!
そうです、エジプトの農業を支える用水路も発見してしまいました。
基本的にはナイル川以外は砂だらけのカイロですが、
用水路の隣は緑の畑が覆っていて、ヤシの木も生えています。
家畜が自由に川沿いのゴミを食べていましたが、これぞ暮らしの風景です。
気候や地形をも変える、アスワンハイダム
最後に地形好きがエジプトに訪れたら、おそらくピラミッドよりも訪れたい。
それがナイル川沿いの暮らしを一変させた・・・アスワンハイダムです。
アスワンハイダムは、ナイル川氾濫による水害を抑えることを目的に、
1970年にドイツとソ連の協力によって完成した巨大ダムです。
巨大・・・いや、地図見てくださいよ。奥多摩湖が赤ちゃんに見えます。
アスワンハイダムの南に広がるナセル湖の面積は琵琶湖の7.5倍だそうです。
こんな世界級の巨大ダムを見るのを一番楽しみにしていたのに、
エジプト人ガイドさん曰く:「え?アスワンハイダムなんて旅程に入ってないよ?」
いやいやいやいやいや。
ここは大阪のおばちゃん並みの強固な意志をもって戦い、
5分だけですがアスワンハイダムに向かってもらいました。
ナイル川の氾濫を治めたというと一見聞こえはいいですが、
砂漠のど真ん中に琵琶湖の7.5倍の湖ができると、色々な副作用をもたらします。
1つ目はアスワンにある、フィラエ神殿。
この辺りの島には古代エジプト末期王朝時代からローマ支配時代にかけて、
数多くの神殿が検察されましたが、アスワンハイダムを造ったことによって、
元々フィラエ神殿があった島は水没。
1980年に現在のアギルキア島に移転されました。
そして2つ目が、アスワンハイダムといえばアブ・シンベル神殿。
古代エジプトの建造物はほとんどこの人が建てたと言っても過言ではない、
ラムセス2世によって約3300年前に建てられたこの巨大な神殿。
この神殿もアスワンハイダムの建設による水没する危機にあったのですが、
ユネスコが国際キャンペーンを行って移転方法を募り、
1964-68年にかけて1036個のブロックに裁断して60mずらすことに成功しました。
現在アブシンベル神殿の像4体はナセル湖を見下ろすように鎮座しています。
アスワンハイダムの建設により、水が安定して供給されるようになりましたが、
一方でナイル川の流路が変わって一部の地域では塩害がひどくなったり、
更には雨が増えるなど天候まで変わってしまったそうです。
地図子が滞在していたときにも、カイロでレアな大雨を経験しました。
世界最長級の川だけあって、謎も多いし、影響力も甚大です。
今回のエジプト水紀行前編はここまでになります!
ナイル川だけでなく、井戸や用水路やダムまで楽しむことができました。
次エジプトに行くときは、お金持ちになってナイル川をクルーズで上って、
連続した景色を堪能してみたいな〜というのが密かな野望です。
次週はちょっと違う切り口から、エジプト水紀行後編をお届けしたいと思います。
皆さんも世界最長級のナイル川で流れる水の気分になってみては?♡♡
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エジプト旅行に際してお世話になった本を紹介します♪
革命の影響で最新のガイドブックの年度が古いですが、そろそろ更新されるかも?
今週のお題「激レア体験」