真夏の太陽に大荒れの台風に大変ですね、地図子です。
今回はこちらの記事でご一緒したaikautauさんの切り地図第2弾エッセーです。
初めて小瓶でいただいたので、コビンちゃんと名付けましたが、
実に一緒に歩いて写真を撮りやすい、オススメのデザインです。
コビンちゃんとれっつごー!
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チリン、チリン。
チリリリリリリリ・・・
私は日暮れに台地の下から、階段の上の世界を仰いでいた。
500個もの風鈴がそれぞれ自分の好きな音を風に乗せて奏でる。
色が濃くなりつつある空に小瓶を当てて、何かを吸収できるか覗き込む。
小瓶とその中の白い紙は、ゆっくり息を吸った。
空の色。風鈴の音。誰かの祈り。
長い階段を登ると、太陽と雲は静かに西に流れ、夜を呼び込んでいた。
微かな光に照らすと、小瓶の中の白い紙は真っ黒になり、
どこを進むべきか、道しるべとなって浮かび上がる。
これこそマジックだ。マジックアワーだ。
いつも見えるものが消え、見えないものが浮かび上がる。
台地の上でつかまえた気をそっと手に包み、台地を下ると、
世界は二分されていた。
前に留まる世界と、地平線に流れていく逆さの世界。
小瓶を通して見つめてみたら、分かるのか。どちらの世界が本物か。
そんなことを考えながら、今日も色々な想いを乗せて歩く。
ロケーション:
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