ふと思い立って、プチ冒険

私は鉄子ではなく、地図子です

【東京人的】渋谷系女子の非日常

渋谷駅で降りる人は大抵いい顔をしている。
責任や現実は背負わず、というか名誉も肩書きも何も持たずに、
希望と夢と少しばかりの劣等感を抱いて、自分の好きな場所に向かっていく。
だって渋谷は若者の街なのだから。


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そんな若者の街・渋谷近辺といえば、
年末やワールドカップのお祭り騒ぎがすっかり定着したスクランブル交差点を皮切りに、
飲食店やアパレルショップで平日も休日も大賑わいです。

 

かくいう地図子もキラキラ港区女子には大して馴染んでおりませんでしたが、
渋谷には大層お世話になっていた学生の1人でした。
飲み会や買い物のために、渋谷の地下道を何度ネズミのごとくかけずり回ったことでしょう。

 

一口に渋谷と言っても、訪れる年代によって通うエリアは大きく異なります。
THE女子中学生や女子高校生が多い原宿エリアに、
少し背伸びした大学生が増える表参道エリア、
オトナな神泉エリア、代々木上原エリア、恵比寿エリアなど様々な顔があります。

 

そこに更に歴史と地形の魔法をかけると、
いつも何気なく歩いていた日常が新世界へと変身します。
ただの若者の街・渋谷から視点を変えて、プチ冒険へ飛び出しましょう。

 

 

 

 

 

 

自分磨きは原宿の川の上で

 

プチ冒険のスタートは、いつ行っても中高生で溢れている原宿です。
制服のスカートの丈をいつもより短くして、
修学旅行で着る私服を探したり、友達とタピオカを飲んだりするのが最高に楽しい。

 

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・・・箸が転がってもおかしい女子高生の頃は。
今は専らA地点からB地点まで最短時間で辿り着きたいことの方が多く、
人が全然前に進まない竹下通りを通るのは至難の業です。
悲しいオトナになってしまいました・・・

 

でもご安心ください。オトナにはオトナの楽しみ方があるんです。
竹下通りで秘密の路地に入っていく勇気があるならば・・・

 

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ヨーロッパの街に迷い込んだかのようなブラームスの小径に辿り着けます。
隣があの竹下通りであることが信じられないくらい静かで優雅。
たまに女子高生が竹下通りへ繰り出す前のお化粧武装をしていますが、
そんな光景もブラームスおじさんが優しく見守っています。

 

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原宿のど真ん中でこんな癒しスポットを見つけられただけでも嬉しいのですが、
ここは元々なんと、明治神宮から流れ出した川だったのです。

 

辿っていくと表参道ヒルズの近くで新宿御苑から来る渋谷川本流と合流し、
そのまま次のファッション中心地、キャットストリートへ繋がっています。

 

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渋谷はその名の通り「谷」なので、昔はたくさんの川が流れていました。
その多くは戦後の人口増加で埋め立てられてしまいましたが、
地形がそのまま「若者の流れ」を生み出していたのです。

 

若者と地形がこんなに密接に関係しているのも渋谷ならではですね。

 

 

 

表参道に残る、幻の水辺

 

月日が経ち、大学生になるとデビューするのが表参道です。
渋谷から宮益坂を登って高台に出ると、青山学院大学国際連合大学が立ち並び、
お店1つとってもこんなに高級感があるのかと驚いたものです。

 

そんなオシャレな雰囲気で、プチ冒険とは一見縁がなさそうな表参道。
それでも地図をよく眺めていると気になってくるのが、
国際連合大学青山ブックセンターの裏にある青いマーク。

 

 

 

港区女子には期間限定のがま池がありましたが、渋谷系女子にはこの琵琶池があるのです。
公園すらほとんど見当たらない渋谷と表参道の間で、
なぜこの琵琶池だけ残っているのでしょうか・・・?

 

琵琶池へ向かっていくと、なんと住宅展示場に入っていくことに・・・!
とても住めそうにない数々の豪邸の奥に、池はひっそりと残されています。
けれども、なんと水がない。地図を見ていかなければただの空き地にしか見えません。


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琵琶池は元々旧淀藩稲葉浩家の屋敷跡の裏、その後青山病院の敷地内にあったようで、
古地図を振り返ってもその跡がしっかりと見て取れます。

 

がま池同様、いつかなくなってしまうのではないかと思わせる儚さがありますが、
昔からずっと今の形を留めているとは、何か不思議な力が働いているのかもしれません。
渋谷系女子の新しいパワースポットとして以後お見知りおきを!

 

 

 

ネオンの陰の渋谷の情緒

 

大学を卒業して社会人になると、活動範囲が宮益坂から道玄坂へ移ります。
道玄坂周辺にはオフィスや資格学校、入社式を開くようなホールなどがあります。

 

そして道玄坂の隣にあるのは円山町
若者にとっては、ギラギラネオンのラブホテル街というイメージでしょう。
後輩が円山町がどの辺りが気付かず追いコンを開き、茶化したことがあったっけ。

 

そんなピンクなイメージの円山町ですが、
ネオンに目をくらませられなければ、見えてくる世界があります。

 

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違和感しかない灯篭。

 

 


そもそもなぜ円山町にはラブホテルが密集しているのでしょう?


それは、元々円山町は芸妓さんもいるような花街だったからです。
1913年に三業地に指定され、1980年代までその賑わいは続きました。
しかし、その勢いが衰えたことで元々料亭をやっていたところが、
時代に合わせてラブホテル業に切り替えていったため、今の街並みになりました。

 

恐れずに一歩踏み入れば、花街だった頃を思い起こすような料亭三長や・・・

 

 

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外国人を是非連れて行ってあげたいもんじゃ焼きすずめのお宿や・・・

 

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地図子の中で、食べに行ってみたいお店No. 1

 

しゃもじが素敵で、自分がどこにいるか忘れるひでなどが見えてきます。


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神泉駅周辺にはオシャレなレストランも多く、これぞオトナの渋谷!な雰囲気です。
神泉はもともと弘法大師が開湯した弘法湯があった場所で、
ビルの名前や暗渠など、色々なところにその風情が残っています。

 

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三業地時代の料亭以外にも、意外とレトロな街並みが残る円山町。
名曲喫茶ライオンで「帝都随一を誇る」ステレオを楽しめば、
気分はもうヨーロッパの貴族です。


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普段は若者目線でわいわい楽しんでいた渋谷近辺。
そんな渋谷周辺のファッションストリート、オシャレ大学区画、ラブホテル街を
歴史・地形の眼鏡で見てみると、川跡、謎の水辺、三業地が浮かび上がりました。

 

遠くの街に行かずとも、何気ない日常が非日常に変わる。
それがプチ冒険のいいところです。

 

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渋谷川の原理に従って、人は流れ続ける。

 

皆さんも渋谷・原宿・表参道ワンダーランドを歩き直してみては?♡♡

 

 

 

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→複雑怪奇でどこにどう鉄道が通っているのか分からない渋谷駅を、
 模型や絵を使って分かりやすく解説してくれているのに驚きました。
 渋谷駅を歴史に沿って1つずつ解剖してくれますよ!