ゴールデンウィーク明け1週間乗り越えましたか、地図子です。
ブラ地図子 -弘前編- を楽しんだ後に訪れるのはもちろん・・・
弘前はよく晴れて桜が生えているのですが、
次の日の十和田湖・奥入瀬はポツポツと雨も降ってきていました。
そんなグルーミーな雰囲気も似合うこの自然を、昔話風にお楽しみください♬
むかしむかし、5万年から1万年も前のむかし、本州の北に火山がありました。
ある日、その火山はガタガタと揺れ始め、一気に赤いマグマが吹き上げました。
マグマはいくつかの爆発的を繰り返しながら流れ出し、
山は徐々に空気が抜けた風船のように萎み、凹んでいきました。
爆発は収まり、周りには静寂が訪れました。
あらゆる生命は壊滅し、息一つ聞こえてきません。
かつて山があった場所は円形の深い窪みになり、
やがてそこにシトシトと雨が落ちてきました。
降り注ぐ雨は徐々に窪みに溜まり、静かに円を描き始めました。
水は量を増やして動きをまとい、キラキラ光る軽石を端へ端へと追いやります。
窪みという大きなボウルの中に、水が表面張力を使うようになり、やがて・・・
少しボウルが欠けていた東の端から水が縁を越え、
莫大な量の水が一気に流れ出ました。
その勢いはマグマを越え、木々をなぎ倒し、土を削っていきました。
濁流が収まった後も水は窪んでいる道筋を知っているかのように、
湖から、高台から、流れて1つの川になり、海を目指していきました。
川の周りには苔が芽生え、渓谷全体を守るかのように覆い尽くしました。
苔のベールに秘められて何万年。
湖は静かに時を刻んでいましたが、徐々に東南部に膨らみが見えるようになりました。
そうして遂に1100年前。
マグマはまたしても地球の芯から這い上がり、地表で爆発を起こしました。
火と水が混じり合い、辺りは黒煙に包まれました。
東南部にはまたしても最長326.8mほどの窪みが生まれ、
地球の怒りが収まった後、そこに雨がシトシトと流れ込んでいきました。
こうして御倉半島と中山半島の間に中湖が生まれたのです。
火山が二度噴火して陥没したところに水が溜まり、
その水がある日東側から流れ出したことにより、
十和田湖と奥入瀬渓流の神秘的な光景が生まれました。
そのおかげで私たちはこの神秘的な自然への旅を楽しみ、
一生ほとりで美味しいアップルパイを味わうことができるようになったのでした。
ここまでがブラ地図子@十和田湖・奥入瀬になります。
十和田湖が何万年もの歴史を持ったダブルカルデラであり、
奥入瀬渓流はある種のその不自然な水の流れから生まれたことを知って巡ると、
何倍もその神秘的な景色を楽しめるかと思います。
皆さんも是非十和田湖と奥入瀬をセットで散策してみては?♡♡
(できればもう少し晴れた日に!)